『ハイペリオン』ダン・シモンズ
このシリーズをやるうえで、絶対に欠かすことのできない作品。
なるほど、これは娯楽大作だ。
全体としてSFの膜に包まれながらも、個別のストーリーはファンタジーで戦争物でホラーでハードボイルドで、そして最後にはとても人間的で、いわゆる「SFを読むような人が好きそうな物語」がこの一冊で楽しめてしまうという、とってもお得な作品。
500ページ強だが、決して長くない。読書スピードが決して速いとは言えない俺が、実質1日(というか、図書館に返す期日を間違って覚えていたために、1日がかりで)で読んだぐらいだから。
とはいえ、本筋のストーリーはひとまず続編の『ハイペリオンの没落』を読まないとなんとも言いようがない。それでもなんとなく「厚み」がないように思えてしまうのは、「単純な娯楽大作」というものを否定したい自分自身のねじ曲がった心情ゆえか?
ところで「日本SF版は山田正紀がやる」って話は本当ですかい?
つか、山田正紀がこのテーマを扱ったら、絶対にこんなライトな娯楽作品にならないだろ。