戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪

現在の少年に対する「心の闇」論にトドメを刺す1冊 『戦前の少年犯罪』

 心ある少年犯罪研究者が、みんな参考にしている「少年犯罪データベース」の管賀江留郎さんが執筆した『戦前の少年犯罪』が、10月25日にいよいよ発売されます。ということは、私の本と同日ですね。



 実は本を管理人さんからいただいて、もう私の手元にあるのですが、本を開くと、いきなり小学生がナイフや雪駄(!)で、パッカパッカと人を殺しております。「最近の子供はナイフで鉛筆を削ることもできない」などとご高説をたれ流す人もいますが、戦前の小学生たちは鉛筆を削った肥後の守で、他人の命も削っていたのです。



 とにかくこんな少年犯罪が、一冊分まるまる詰まっています。

 もし、これを読んだあとで、「最近の少年犯罪は凶悪化している!」などといえる人間がいたとしたら、その人には日本語を読む能力がないと言ってしまっていいでしょう。また、この本が出た後にそのようなことをいえる人間は、この本が存在することすら調べてないのでしょうから、その発言は何ら信頼するに値しません。

 今後は、少年凶悪化言説をたれ流す人間に対しては「『戦前の少年犯罪』も読んでないの?」と一言言うだけで、反論が完了することになります。まぁ、今までだって「少年犯罪データベース読んでないの?」ですんだのですが、書籍という形で発売されることによって、その必要性はいっそう揺るぎないものになるでしょう。