どうして初売りが元日に行われるようになったのか。

 正月になったので、元日に福袋を買いに初売り行ったんですよ。イオンまで。まぁ、ミスタードーナッツの福袋だけですけどね。

 で、ふと思ったんですけど、15、6年前までは、ジャスコなんかでも初売りは2日だったなぁ……と。

 ところが、いつからか普通に元日から初売りが行われるようになった。これは一体どういうことだろうと。



 普通はみんな「正月ぐらいは休みたい」と思うわけですよ。

 けれども、稼ぎとしては当然、元日も営業したほうがいいわけです。無駄に店舗を寝かすことになるわけだし。

 かつての、あくまでも個人商店の延長にスーパーがあったような時代には、上の2つのどちらかを選択するかの葛藤があったうえで、多くは前者の方が勝っていました。

 だが、現在のような巨大スーパーが巨大スーパーである時代においては、こうした選択で後者が選ばれるようになった……のではなく、こうした葛藤自体がなくなったのです。



 なぜならそれは、営業を決定する経営陣と、実際に現場に出て販売する多くのパートが別の人物だからですね。

 経営陣は元日の営業を決定しながら、自身は元日に休むことができる。パートは休みたくても自分で休日を設定できない。こうした身分の格差が、さまざまな店が元日に普通に営業しているという現実を生み出しているのではないかと思うのです。



 ネオリベ社会において、身分格差は自己責任とされ、立場の弱い人間に対する同情を否定します。その結果、立場の弱い人間は当然のように過当に搾取されるのです。



 こんなことを『下流社会』を読んでいる端で考えてました。いうなれば「鬼畜社会」といったことろか。