今日のガッカリ記事。

 週刊ポスト(2006/2/17号)でガッカリ記事を見つけました。


 松本ネット殺人事件−

 「父殺し依頼男も! 急増する「中年ニート」の家庭内暴力

 ・'21年には200万人に。今や深刻な社会問題

 ねー、見出しだけでガッカリでしょ。

 記事の内容はといえば、長野で息子と共謀して父親の殺害をネットで第三者に依頼した事件の件で、容疑者が49歳の無職だったということで「中年ニート」なる珍妙な造語を週刊ポストの馬鹿ライターがつくって、お約束の差別発言をしているって話。

 記事の中でこの記事を書いた人間は


 そもそもニートとは、働きも、学びもせず、職業訓練も受けていない者を指す。

 と、記しているが、これは大嘘。

 より正しいニートの定義は、「15〜34歳の若者の内、学生でもなく既婚者でもなく、かつ無職者で、求職活動も行なっていない人」です。

 長野の事件の容疑者は49歳ですから、既にニートという概念を大きく外れています。

 その他については妥当な気に一瞬なりますが、定義はあくまでも「学生」や「既婚」や「無職」という「身分や状態」に明確さを置いているのに対し、ライターの定義では「働き」「学び」「職業訓練」と、意欲の方に力点を置いた単語を使っていることに注意すること。



 で、この記事の一番ガッカリな点は、最後の「三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の小林真一郎」なる人物による警告。

 あまりにもガッカリなので、全文引用します。


「35歳以上の中高年フリーターの数は、01年の段階で約46万人と推計されていましたが、10年後の11年には132万人、20年後の21年には200万人を突破すると予測されています。一度フリーターやニートになってしまうと、抜け出すことは容易ではない。労働力の低下、税収減など、社会に与える影響はあまりにも大きいといえます。

 たとえ職業訓練を行なって就職口を斡旋したところで、ニートには働く意欲がない為にすぐ辞めてしまうので意味がない。即効性のある対策が見当たらないというのも、この問題の深刻な一面です」

 ほら、ガッカリ。こんな悪文、中学生でも書きませんよ。

 主語が無茶苦茶で、何ら意味のある文章になっていません。中高年フリーターが200万人になるのと、ニートが働かないことに、なんの関係が? フリーターは労働者ですよ!!

 もちろん、話は編集されるので、この記事を書いたライターなり編集者が悪さをしている可能性もありますが、こんな文章を掲載されてしまう三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の小林真一郎が無能であることは明白でしょう。三菱UFJはもうダメだな(笑)

 そして、それに輪をかけてバカな編集者は「中高年フリーターが200万人」という話を脳内で勝手に「中年ニートが200万人に」と変換して、あのガッカリ見出しになるわけです。小学校だってこんな読解力じゃ落第間違い無し。

 小学校レベル以下の人間が、小学館で仕事をしているとは、これいかに?