掲示板でも情報をいただきましたが、最近になって徐々に本職の脳科学者達が、ゲーム脳を始めとするとんでも科学に、疑問を呈し始めました。

 私はこれはゲーム脳などに直接的な危機感を持ったのではなく、むしろ川島隆太教授のゲームなんかが流行っていることに対応しているような気がします。

 つまり、本来は脳に関する全ての事柄を扱うべき脳科学が、さも「頭が良くなる」レベルの局所的な科学であると、一般に広く周知されることへの危機感ではないかと。



 結局のところ、永らく解剖学という範囲でしか知ることのできなかった脳というものが、英EMI社によるCTスキャンの実用化によって生きたまま調べることができるようになったのが、1972年。

 それから30年以上が経ち、ようやく血流などを通して脳の働き自体を調べられることになりましたと。

 しかし、その新規性は同時に人々な過剰な関心を呼び、さも「脳の健康を保てば、良い人間になる」かのような誤解を招いている。それが現状なのでしょう。

 ですから、健全な精神を持つ脳科学者たちは、そうした風潮に迎合せず、もっと巨視的に脳科学を捉えていきたいと考えているのだと思います。

 テクノロジーの急激な進化によって、脳を研究する舞台が揃いつつある大切な黎明期に、脳科学の方向性が狭められかねない現状に対して、反旗を翻す必要があるのです。



 私もこうした風潮に賛同します。