買い叩かれるブロガー

 Willcomファンサイトの中の人が、必死になってWillcomの擁護をしている件について。

 詳細については適当に読め……と言っても、詳細はあってないようなモノだ。

 上記リンクでamegriffが書いているのは、代理店にW-ZERO3が落ちてこない権だが、ファンサイトの中の人の擁護発言は、ケータイwatchのこの記事で、W-ZERO3予約サイトが落ちたことをさして「次回の予約受付で再び同じ状況になるとすれば、同社の通信事業者としての資質を問われることにもなりかねない」としている部分を意味不明だとしている発言の事である。その辺についてのamegriff発言はこっち

 ……分かりにくいな。まぁいいや。



 で、ここから本題。



 まず、amegriffは、Willcomファンサイトの中の人がWillcomの執行役員などと飲んでいることを指して、「それは癒着だ」と指摘するわけです。

 それに対してWillcomファンサイトの中の人は、


ウィルコムと癒着?笑わせないでくれ、俺を買収するなら美しい美女か1000万円か、W-ZERO3を発売前にプレゼントぐらい必要ですw(←安っw)

大切な出会いを癒着とか言われてホントむかついています。
 と、発言するわけです。



 すると、まずこの時点で二人の考え方の相違……ハッキリいえばレベル差がクッキリ出ています。

 amegriffがいわゆるジャーナリスティックな文脈で「癒着」を指摘し、その点についての見解を述べているのに、Willcomファンサイトの中の人は、「癒着をして何が悪い」と返すのではなく、「大切な出会いを癒着とか言われてホントむかついています」と、そもそも癒着自体の問題性を意識していない返し方をしています。そして、実際「Willcom執行役員などと飲んだ」事を記事にしている時点で、Willcomファンサイトの中の人に一切の「悪気」がないことがうかがえます。

 この時点で、話はまったく通じていないのです。そしてこうした「自分がしていることに対する意識の無さ」が、総じて昨今のブロガーの共通点のように感じるのです。



 Willcomの執行役員などと飲んだページのコメント欄を見てもらえれば分かると思いますが、この件に対して肯定的なコメントというか、そもそも否定と肯定という文脈じゃなくて、単純に「Willcomの人たちと飲むなんてすごい」という讃美になっています。そもそも同席することに対する疑問が生じてないんですね。amegriffの発言は、これを揶揄するものです。

 で、私個人の見解としては、「癒着は全然構わない」と思います。ただ、それは本人が分かってさえいればの話です。

 ファンサイトという括りの中で、Willcomの情報をいち早く知りたい、いち早くサイトを見ている人に伝えたい。ということで、癒着するのは問題ないし、そのような共犯関係は日本的なマスコミが普通にしていることです。

 一方、Willcomが僕らにとって良いメーカーであるために、ファンの立場から厳しく提言したいので癒着はしない。という姿勢も当然ありでしょう。これはまさしくジャーナリスティックな文脈ですね。



 ところが、Willcomファンサイトの中の人や、中の人を讃美する人たちは、そうした文脈の中にはいないのです。彼らはただWillcomを讃美し、ただWillcomの人と酒を飲んだだけです。そこに自発性は一切ありません。

 第一、これだけ情報をたっぷり掲載するファンサイトを運営しているんだったら、W-ZERO3ぐらい貰ったっていい立場でしょ。つか、広告料をWillcomから取ったって問題ないでしょ。Willcomにしても、変な大学サークルのパンフに広告乗っけるより(Willcomが出してるかどうかは知らないけど)、ファンサイトの運営者に金や情報や端末を回したほうが、いい宣伝になるんじゃないの?

 そういうことがなにもなく、ただファンだからファンサイトをやって、ただ飲みに誘ってもらったからと飲んで、それで金も端末ももらってない(情報ぐらいはもらっているだろう)ってなんなんだろうと。



 結局、Willcomファンサイトの中の人や、それを讃美する人々には、そうした手法に対するナイーブさが存在していない。これを私は、「実業で一生懸命稼ごうが、デイトレでパソコンの前で稼ごうが金は金」とする、刹那的な経済観念と合致するありようだと考えます。

 金持ちや権力者はエリートであるがゆえに社会的に責任を持つのだという、責任論が放棄され、万人が平等であるというエセ前提に立ち、その帰結をさも努力の帰結であるように振る舞う、責任と乖離した経済観念が、こうした手法と乖離したファンサイトの有り様を容認していると考えます。

 結果、ファンサイトの人間はその砂上の楼閣を特権と考え、外部に対する批判を強め、癒着する先からは買い叩かれるのです。Willcomからすれば、ちょっと飲ませただけで都合のいい宣伝をしてくれるブロガーなんてのは、いいカモでしょう。

 それは、現在のウヨ厨と、国家の関係によく似ています。